01. Jon Hopkins / I Remember (Late Night Tales / Beat)★
02. Prefuse 73 / Infrared (Temporary)
03. José James / Body and Soul (Blue Note / Universal)★
04. José James / Fine and Mellow (Blue Note / Universal)★
05. José James / I Thought About You (Blue Note / Universal)★
06. José James / Good Morning Heartache (Blue Note / Universal)★
07. Steve Turre, Hilton Ruiz, Bill Hardman, Junior Cook / Spirits Up Above (Stash)★
08. SLY Johnson / EVRBDD (Everybody Dancin’) (Heavenly Sweetness)★
09. Henry Wu / Just Negotiate (Hotep)★
10. Get The Blessing / Corniche (Naim)★
11. Chassol / La route de la Trace (Tricatel)★
12. Scrimshire / Manhattan Night In Tunisia (test)
13. Dan Shake / Traders II (Black Acre)★
★マークのついた楽曲をクリックすると試聴・購入することが出来ます。
Jose James単独インタビュー
今年生誕100周年を迎えたジャズシンガー、ビリー・ホリデイのトリビュート・アルバム
「イエスタデイ・アイ・ハド・ザ・ブルース」を発表したホセ・ジェイムズのインタビュー。
放送にはなかった日本語訳を掲載します。
まず、ビリー・ホリデイとの出会いを聞かせて下さい。
最初に聴いた曲というのは”God Bless The Child”でした。それはビリーとの出会いというだけ
ではなく、私の人生のなかの最初の思い出の曲なのです。というのも3歳のころにグローバー
ワシントン・ジュニアやオハイオ・プレイヤーズといった母のレコード・コレクションのなか
に入っていた彼女のアルバムを私が出したんですね。そのジャケットはモノクロの写真で髪の
上に花をのせたもので、彼女に憧れるように見入って、私は母にこれをかけて欲しいとせがん
だのが自分の人生のなかでの最初の思い出になっています。
それだけ彼女は特別な存在なのです。
実は先日、母に自分の記憶が正しかったのかそのことについて確かめてみたのですが、確かに
そうだったそうです。
これまであなたのオリジナルアルバムでは毎回、何かしら新しい挑戦を試みて、それによって
アーティストとしての才能を伸ばしてきたと思うのですが、今回はシンガー、ビリー・ホリデ
イのトリビュートとしてスタンダードの楽曲を歌い上げるというシンプルなアプローチだった
からこそ、シンガーとしての成長がとても明確に聴き取れました。
本人的にはどう思っていますか?
アーティストとして活動していく上でとても重要だと思うのは”自分のルーツを忘れてはいけな
い”ということなんですね。これはいつもジャイルス(ピーターソン)とも話すことなのですが
私たちは現代社会に生きているとはいえ、やはり先駆者の人たちが過去に作り上げたものへの
愛だったり、尊敬の念というものを決して忘れてはいけないし、それを表現し続けるべきだと
思っています。今回こういう形でビリー・ホリデイのトリビュートを作ろうと思ったのは、シ
ンガーとしての彼女、そして彼女が自分に与えた影響というものを表現したかったのです。
その影響はアルバム「The Dreamer」や「Blackmagic」といった私の過去の作品のなかでフレ
ージングの仕方や感情の表現の仕方などに表れていると思います。
ビリー・ホリデイの生誕100周年でリリースされたこのアルバム、制作しようと思ったきっかけ
や楽曲の選曲などについて聞かせて下さい。
実は今回の作品は2010年にベルギーで彼女の誕生日にショーをしました。トランペットには今
回の公演でも参加してくれた黒田卓也さんも一緒でした。その時のセットリストがアルバムの
曲であり曲順になっています。最後に収録されている”Strange Fruit”のループも今回同じように
再現してレコーディングしました。やはりリリースするのであれば彼女の生誕100周年にリリー
スしたいと考えていました。
彼女は未だにジャズ・シンガーとして人々にあまり理解されていないと思っていたので、彼女
の素晴らしさを表現したいと思いました。
コンセプトや曲目については2011年の段階で既に出来ていました。そしてレーベルと話をし、
ジェイソン(モラン)にも話をしたところ喜んで参加してくれることになりました。
さらにドン(ウォズ*現在のブルーノート・レーベルのトップでありミュジシャン&プロデュ
ーサーでもある)に話をしたところ、彼もプロデューサーとして参加してくれると。
そこからマジックが始まりました。
ピアノのジェイソン・モラン以外の2人、ドラムのエリック・ハーランド、そしてベースのジ
ョン・パティトゥッチはどのように人選したのですか?
以前から彼らとは仕事をしてみたいと思っていたのですが、とにかく2人共、人気のミュージ
シャンなのでスケジュールを合わせるのがとても大変でした。それでもやっと調整したところ
全員揃うのが僅か二日間しかなかったんですね。その短い時間のなかでアルバムを作ろうとい
うことになりました。エリックもジョンも会ったことがなかったのでちょっと緊張していまし
たが、実際会ってみるととても素晴らしい人たちで、リラックスしてレコーディングに臨むこ
とが出来ました、皆才能が豊かといういうこもありましたが、なんとたった4時間でレコーデ
ィングを終えることが出来ました。
1日中、皆で大笑いしながら行った楽しいセッションでしたね。
本作ではこれまでに一緒にレコーディングし、ライヴを行ったきたメンバーとは異なるミュー
ジシャンと一緒に作ったのですが、その2つの違いを一言で説明して下さい。
この作品の経験を一言で例えるなら、それは”禅”だと思います。レギュラーのメンバーとのレコ
ーディングやライヴの場合だと、自分がリーダーとして作曲をすることも当然のことながら、構
成から全て考え、指示をし、プロデュースをしなければいけないということがあるのですが、今
回の場合は既に曲は書かれたものですし、プロデュースはドン・ウォズがプロデュースを手掛け
てくれたことで素晴らしいパワーが周りに満ち溢れていて、自分はただ心を穏やかにして歌うこ
とに集中出来たことが歌声に出ていると思っています。
あなたの地元であるミネアポリスでビリー・ホリデイのトリビュート・ライヴを行ったそうです
が、それはレコーディングしたメンバーとのものだったのでしょうか?
ええ。ミネアポリスだけでなく、アメリカ中西部中西部でちょっとしたツアーとして行いました。
日本での公演のウォーミング・アップも兼ねてやったこともあるので、来日メンバー(*アーロン
・パークス/リチャード・スペイヴェン/ソロモン・ドーシー/黒田卓也)と回りました。
実際やってみると、会場に来てくれたファンの人たちがとても驚いていました。というのは自分が
“Trouble”や”Come to My Door”といったちょっとスピリチュアルな歌に慣れ親しんでいたので、
今回のようなライヴを見て、”私たちはやはりあなたの声が好きだった”と再認識したという声をよ
く聞きました。
今回のツアーはレコーディングしたメンバーではなく、レギュラー・メンバーと一緒にアメリカ、
そして東京と大阪のビルボードで公演を行ってみてどうでしたか?
一番の変化はピアノではないかと思います。現代のジャズの世界ではジェイソンのピアノは誰もが
好きだと思います。今回参加したアーロンはビル・エヴァンスのようなソフトなタッチのプレイな
のですが、反対にジェイソンは凄く沢山驚きがあるようなパワフルなプレイなのでそこが大きな違
いだと思います。
デビューから今年で9年。本作で6枚目のアルバムとなったわけですが、これまでの歩みをご自身で
振り返ってみてどう思いますか?
やはりこの9年間で自分自身をより分かるようになってきました。そして自分がやっていること、
やりたいと思っていることに対してそれを表現していく、やり続けていくという自信がつきました
し、楽に出来るようになりました。それまでは皆に合わせようとしたり喜ばせるためにやっていた
のですが、そうではなく、自分がやりたいということに信念を持ってやれるようになりました。
また、ソングライターとしての成長も大きかったと思います。自分自身を表現する仕方がうまくな
ったいうこと。それは”Good Morning Heartache”を聴いてもらえると分かると思うのですが、こ
れは今までもシンガーとして理解してきた曲だったのですが、ソングライターとして成長したこと
によって歌詞に対して深い理解が生まれ、ビリーは何を伝えたかったのか、ここはどうしてこのよ
うな表現になったのかということまで考えて歌えるようになれました。
アルバムがリリースされたばかりですが,もう”次”のことを考え始めているのではないかと思います。
よかったら教えて下さい。
常にアイデアというものは何かしらあります。例えばテイラー・マクファーリン、フォルティDLや
Kyodai(キョウダイ)といったアーティストたちと話をしていますが、まだ具体的には決まってい
ません。ただ、自分の好きなものをやっていきたいなとは思っています。
今ハマっているのはブルーノートの70年代の音楽、ちょっとファンキーなものですがNasなんかが
サンプリングしていた元ネタ(*ドナルド・バードなど)になるオリジナル作品です。元々私はヒッ
プホップを通じてジャズを知った世代ですし、それによってジャズを深く理解していったものですか
らオリジナル楽曲を一生懸命聴いて吸収しようとしている段階です。
最後に番組を聞いてくれている番組のリスナー、そしてファンの皆さんにメッセージをお願いします。
本当に日本のファンの皆さんにはいつも感謝しています。皆さんは世界でも最高レベルのファンだと
思っています。インタビュー1つとっても音楽の知識の差が全く他の国とは違っていていつも感銘を
受けています。そして私の音楽に対してすごくリスペクトしてくれる気持が通じていますので本当に
嬉しく思います。サポートしてくれてありがとうございます。
”東北の子どもたちの未来のために ”Run For Children Tohoku チャリティランニングを今年も開催します。
東日本大震災から間もなく4年の月日が経とうとしています。多くの尊い命と人々の生活を奪った未
だかつて無い地震災害。それによって子どもたちの”日常”も容赦なく奪い去られました。
その子どもたちの心のケアをはじめとして、”遊ぶこと”や”学ぶこと”、そんな当たり前のことを取り
戻すために震災後、日々現地で活動を続けているNPO団体を支援するハタチ基金の存在を知り、サ
ポートしたいとランニングをしながら寄付を集めるプロジェクト”Run For Children Tohoku”を2012年
の1月に立ち上げました。これまでに1度のマラソンと3度のチャリティ・ランニング、オリジナルTシ
ャツの販売などを通じて寄付を集めるとともに、日々薄れゆく震災の記憶と被災地への思いを人々に
想起させてきました。
そして、今年もアディダスジャパンと「OPENERS」の協力を得て、チャリティ・ランニング・イベ
ント「Run for ChildrenTohoku at adidas RUNBASE」をきたる3月15日(日)に開催することになり
ました。今回は”チャレンジする力”を皆さんとシェアしたいと思い、参加者全員で1周約5キロの皇居
周辺を2周10キロのランに挑もうと思います。
春間近の東京で心を一つにして気持ちのいい汗をかきましょう。
皆さんの参加をお待ちしています。
イベントの詳細と応募要項はコチラから。